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東京高等裁判所 平成12年(ネ)361号 判決

主文

一  本件控訴をいずれも棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一  控訴の趣旨

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人らは、控訴人に対し、別紙物件目録二記載の建物(以下「本件建物」という。)を明け渡し、かつ、平成一〇年三月一日から明渡し済みまで一か月一五万円の割合による金員を支払え。

三  被控訴人らは、控訴人に対し、別紙物件目録三ないし七記載の建物及び同目録八記載の構築物(以下「本件各建物及び構築物」という。)を収去して、同目録一記載の土地(以下「本件土地」という。)を明け渡し、かつ、平成七年一月一日から右土地明渡済みに至るまで一か月二七万〇五五五円の割合による金員を支払え。

四  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

五  仮執行宣言

第二  当事者の主張

一  請求原因

1  (本件建物の明渡し{控訴の趣旨二項}について)

(一) 控訴人は、被控訴人らに対し、昭和六三年六月一日、期間を平成一〇年六月一日まで、賃料を一か月一二万円との約定で、本件建物を賃貸し(以下「本件賃貸借契約」という。)、引き渡した。

(二) 被控訴人らは、本件建物に隣接する本件土地上に、順次本件各建物及び構築物を建築して本件土地を使用している。

(三) 被控訴人らは、本件建物の賃借人であるから、その敷地である本件土地のうち、本件建物の賃借に必要な範囲について占有し使用することができるものの、右(二)の本件各建物及び構築物の建築は、右の使用の範囲を著しく超えたものであるから、建物賃借人としての義務に違反しており、信頼関係を破壊し本件賃貸借契約の継続を著しく困難ならしめる背信行為に当たる。

(四) そこで、控訴人は、被控訴人らに対し、平成一〇年二月二四日(原審の第一回口頭弁論期日)、本件土地への無断増改築による信頼関係の破壊を理由に本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。

(五) 平成一〇年三月一日以降の本件建物の賃料相当額は、一か月一五万円である。

(六) よって、控訴人は、被控訴人らに対し、本件賃貸借契約終了による返還請求権に基づき、本件建物の明渡し及び本件賃貸借契約解除の日の後である平成一〇年三月一日から明渡済みまで一か月一五万円の割合による賃料相当損害金の支払を求める。

2  (本件土地の明渡し{控訴の趣旨三項}について)

(一) 控訴人は、本件土地を所有している。

(二) 被控訴人らは、遅くとも平成七年二月一日から、本件土地上に本件各建物及び構築物を所有して本件土地を占有している。

(三) 本件土地の平成七年二月一日以降の賃料相当額は、一か月二七万〇五五五円である。

(四) よって、控訴人は、被控訴人らに対し、本件土地の所有権に基づき本件各建物及び構築物を収去して本件土地の明渡しを、不法行為に基づき平成七年二月一日から右明渡済みまで一か月二七万〇五五五円の割合による賃料相当損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1(一)、(二)及び(四)の事実はいずれも認め、同(三)及び(五)の主張は争う。

2  請求原因2(一)及び(二)の事実はいずれも認め、同(三)の主張は争う。

被控訴人らは、後記三(抗弁)のとおり、本件土地の賃借権又は使用借権に基づく控訴人の明示又は黙示の承諾により、本件各建物及び構築物を所有しているものである。

三  抗弁(請求原因1(二)及び2(二)に対し)

1  占有権原・土地賃借権

控訴人は、被控訴人らに対し、昭和六三年六月一日、本件建物の賃料込みで月額一二万円、期間を同日から一〇年間との約定で、本件土地を賃貸し、引き渡した。

2  占有権原・使用貸借

仮に1が認められないとしても、控訴人は、被控訴人らに対し、昭和六三年六月一日、被控訴人らが鉄工所を営み、かつ、本件各建物及び構築物を所有する目的で、期間の定めなく、本件土地を無償で貸し渡した。

四  抗弁に対する認否

抗弁1、2の事実はいずれも否認する。

五  再抗弁(抗弁2に対し)

仮に、控訴人と被控訴人らの間において、本件土地につき黙示の使用貸借が成立したとしても、以下の1ないし3のとおり、右の使用貸借には解除原因があるから、控訴人は、被控訴人らに対し、平成一二年三月二九日(当審の第一回口頭弁論期日)、右の使用貸借契約を解除する旨の意思表示をした。

1  昭和六三年六月一日当時、本件土地上には、別紙物件目録四ないし七の建物及び同八の構築物が建築されていたものの、同目録三記載の建物は建築されていなかった。しかるに、被控訴人らは、平成六年になって、同目録三記載の建物を無断で建築したのであるから、本件土地の用法義務違反に当たる。

2  被控訴人らは、控訴人及びその長男内田吉男(以下「吉男」という。)が無断建築につき口頭で苦情を申し入れた際、控訴人が本件土地を使用するときには直ちに本件各建物及び構築物を撤去すると述べた。したがって、被控訴人らは、控訴人に対し、控訴人が請求したときに使用貸借契約の期限が到来し、直ちに本件土地を明け渡すことを約していた。

3  仮に、昭和六三年六月一日ころ、本件各建物及び構築物の所有を目的とする本件土地の使用貸借契約が成立したとしても、それから一二年が経過しようとしており、被控訴人が無償で本件土地を使用していることを考慮すると、社会通念上本件土地を使用収益するに足る十分な期間が経過したというべきである。したがって、控訴人の本件土地の返還請求により、本件土地の使用貸借契約は終了した。

六  再抗弁に対する認否

再抗弁1の事実は認めるが、主張は争う。同2の事実は否認し、同3の主張は争う。

第三  当裁判所の判断

本件全資料を検討した結果、控訴人の被控訴人らに対する請求はいずれも理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は以下のとおりである。

一  事実関係

請求原因1(一)及び(二)、2(一)及び(二)の事実は、いずれも当事者間に争いがない。右争いのない事実及び証拠(甲一ないし三、四の1ないし3、五の1ないし3、六の1ないし25、七ないし九、乙一ないし三、四の1ないし3、五の1ないし8、六、七の1ないし4、一六、証人内田吉男、被控訴人本人兼被控訴人有限会社日昇工業{以下「被控訴人会社」という。}代表者)並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の各事実が認められ、これを覆すに足る証拠はない。

1  控訴人は、被控訴人櫻庭美則(以下「被控訴人櫻庭」という。)との間において、昭和四三年六月一日ころ、本件建物につき、期間二〇年、賃料月額三万五〇〇〇円の約定で、控訴人を賃貸人とし被控訴人櫻庭を賃借人とする賃貸借契約を締結した。右契約の契約書である乙一の表題は、「建物賃貸借契約書」であり、契約の目的物として本件建物が記載され、本件建物は「住居宅付作業所」と記載されている。なお、被控訴人櫻庭は、右契約の際、控訴人に対し、権利金として少なくとも十数万円を支払った。

2  被控訴人櫻庭は、昭和四三年六月一日ころから本件建物で個人で鉄工所を営み、昭和五二年六月二二日ころ、機械器具設置工事業、鉄筋工事業等を目的とする被控訴人会社を設立し、同社の代表取締役となり、以後右営業を継続している。

3  被控訴人らは、昭和四三年六月一日から昭和六三年六月一日までの間に、本件土地上に別紙物件目録四ないし七記載の建物及び同目録八記載の構築物を建築し、平成六年ころ、同目録三記載の建物(事務所)を建築した。それらの位置関係は別紙図面記載のとおりである。

4(一)  本件土地は、一筆の土地(面積2424.85平方メートル)のうち本件建物に隣接する596.28平方メートルの部分であり、本件建物の床面積は一、二階とも33.05平方メートルである。

(二)  本件土地は、別紙図面記載のとおり、①北側はいずれも控訴人が所有する家屋番号二七番一の四、二七番一の七、二七番一の八、二七番一の九の主たる建物、二七番一の九の附属建物、②東側は公道、③南側は二六番一の土地との境界上の万年塀、④西側は一八番一の土地との境界上のブロック堀で囲繞されている。二七番一の四の建物は昭和四二年九月一三日、二七番一の七及び二七番一の八の建物は昭和四七年九月三〇日、二七番一の九の主たる建物は昭和四八年四月三〇日、同附属建物は昭和五四年七月三一日に建築された。二六番一の土地も控訴人が所有し、同土地上に控訴人が工場を建築し、同工場を東邦化研工業株式会社(以下「東邦化研」という。)に賃貸している。

(三)  控訴人の自宅は足立区興野<番地略>にあり、控訴人および吉男が居住しているが、本件土地は、足立区西新井本町<番地略>にあって控訴人の自宅に極めて近い。また、控訴人の次男は、本件土地に隣接する工場を賃借している東邦化研に勤務している。

5  控訴人は、被控訴人会社との間において、昭和六三年六月一日ころ、本件建物につき、期間一〇年、賃料月額一二万円の約定で、控訴人を賃貸人とし被控訴人又は被控訴人会社を賃借人とする本件賃貸借契約を締結した(賃借人として両者が記載されている。)。右契約の契約書(甲一、乙二)の表題は、「建物賃貸借契約書」であり、契約の目的物として本件建物が記載され、建物の使用目的には「居宅並作業所」と記載されている。右契約の際、被控訴人らは、控訴人に対し、更新料として少なくとも五〇万円を支払った。

6(一)  被控訴人らは、平成七年二月から前記5の賃料の支払を遅滞し、同年一二月二九日ころ、未払賃料を控訴人に提供した。

(二)  控訴人は、右賃料を一旦受領したが、平成八年一月四日ころ、これを被控訴人櫻庭に返送して受領を拒絶し、本件建物の明渡しを求めるようになった。

(三)  被控訴人櫻庭は、平成八年一月一二日、右賃料を供託し、以後賃料として月額一五万円を供託している。なお、供託書の「供託の原因たる事実」欄には、「契約の目的物」として本件建物のみが記載され、本件土地は記載されていない。

7  本件土地の公租公課は、平成一〇年度で固定資産税及び都市計画税を併せて年間七七万六九四七円であり、一坪当たり約四三一〇円、一月あたり約六万四七五〇円である。

二  本件土地の賃借権の有無(解除原因及び抗弁1)

被控訴人らは、本件土地についても賃貸借契約が成立していることの根拠として、①昭和四三年に賃貸借契約が締結された際、被控訴人櫻庭は控訴人に対し、賃料月額三万五〇〇〇円のところ、当時としては高額である七五万円の権利金を支払ったこと、②被控訴人らは、本件各建物及び構築物のうち別紙物件目録四ないし七記載の建物及び八記載の構築物を、昭和四三年ころから昭和六三年ころにかけて順次建築したが、その都度控訴人の承諾を得ており、かつ、建築に伴い賃料も増額されたこと、③地代の相場は公租公課の二倍程度と見るのが相当であることからすると、被控訴人が供託している一五万円の賃料には、前記一7の本件土地の公租公課の月額に照らし、本件建物のみならず本件土地の地代も含まれていると解すべきであること、④昭和四三年に賃貸借契約が締結された際、控訴人は、被控訴人櫻庭が本件建物で鉄工所を営むことを知っており、そのために本件土地を使用することを許諾していたこと、⑤本件土地は、控訴人が建築した建物や塀によって囲繞されており、控訴人は、本件土地の使用を被控訴人らに任せていたことなどを主張し、被控訴人本人兼被控訴人会社代表者はこれに沿う供述をし、同人作成の陳述書(乙六、一六)にもこれに沿う部分がある。

しかしながら、①のうち、十数万円が権利金として支払われたことは控訴人も自認するところであるが、これを超える金員が支払われたことを認めるに足る証拠はなく、②の控訴人の明示の個別的承諾及びこれに伴う賃料の増額がされたことを認めるに足る証拠もない。③についても、地代の相場が公租公課の二倍程度であることを裏付ける資料はないし、月額一五万円という額は、居宅兼作業所(収益物件)として利用されている本件建物の賃料として不相当に高額であるとは言い難い。また、④及び⑤についても、前記一のとおり、控訴人は、昭和四三年に本件建物の賃貸借契約を締結する際、被控訴人櫻庭が本件建物で鉄工所を経営することを知っていたこと、本件土地は、控訴人が所有する建物や控訴人の承諾の下に東邦化研が設置した万年塀(甲七)等により囲繞されていることは認められるが、これらは控訴人が被控訴人らに対し、本件土地に賃借権を設定したことを推認させる事実ではない。かえって、前記一の事実によれば、本件賃貸借契約が締結された昭和六三年当時、既に本件各建物及び構築物のうち、別紙物件目録三記載の建物以外の建物が存在していたにもかかわらず、賃貸借契約書上は、明確に本件建物を対象として契約が締結されているものである(被控訴人本人兼被控訴人会社代表者は、昭和六三年に賃貸借契約を締結した際の契約書(甲一、乙二)に「建物賃貸借契約書」と記載されている理由は分からない旨供述するなど、この点につき被控訴人らから合理的な説明はない。)。しかも、被控訴人櫻庭は、賃料として月額一五万円を供託しているが、供託書の「供託の原因たる事実」欄に「契約の目的物」として本件建物のみを記載し、本件土地を記載していない。

以上の認定を総合すると、本件土地につき賃貸借契約が締結されたことを推認することはできず、他にこれを認めるに足る証拠もない。したがって、本件土地の賃借権に基づき本件各建物及び構築物を所有している旨の被控訴人らの主張(抗弁1)は理由がない。

三  本件土地の使用借権の有無(解除・解約原因及び抗弁2)

前記二のとおり、本件土地につき、控訴人と被控訴人らの間において賃貸借契約が締結されたと認めることはできないが、前記一のとおり、被控訴人らは、昭和四三年六月一日から昭和六三年六月一日までの間に、本件土地上に別紙物件目録四ないし七記載の建物及び同目録八記載の構築物を建築し、平成六年ころにも同目録三記載の建物(事務所)を建築したものであるが、控訴人が、これについて異議を述べ、用法義務違反であるなどと主張した形跡は見当たらないし、昭和六三年六月一日の本件賃貸借契約の締結時にも、被控訴人らが本件土地上に本件各建物(別紙物件目録三記載の建物を除く。)及び構築物を建築したことにつき、苦情を述べていない。また、本件土地の北側は、控訴人が所有する建物で、南側及び西側が万年塀とブロック塀で囲繞され、被控訴人らの本件土地の利用状況は容易に認識することができる上、控訴人の自宅と本件土地が近接していることからすると、控訴人も吉男も、被控訴人らが本件土地上に本件各建物及び構築物を建築し、鉄工所として利用していることを十分知悉していたということができる。加えて、控訴人は、被控訴人らが本件建物において鉄工所を営業し作業を行うことを了解していたことからすると、その敷地である本件土地をある程度使用することを予測し、これを容認していた可能性が高い。

これに対し、控訴人は、被控訴人らに対し、吉男とともに無断建築につき口頭で苦情を申し入れていたこと、被控訴人らは、控訴人が本件土地を使用するときには直ちに本件各建物及び構築物を撤去すると述べていたと主張し、証人内田吉男も右の主張に沿う証言をしている。しかし、被控訴人本人兼被控訴人会社代表者は、控訴人から無断建築について苦情の申入れがあったことを真っ向から否定し、控訴人が本件土地を使用するときには直ちに明け渡す旨を述べたことはないと供述している。また、控訴人及び吉男が、被控訴人らに苦情を申し入れた時期等は明らかでないし、そのことを裏付ける客観的な証拠を見いだすことはできない。そうすると、控訴人が被控訴人らに対し、本件土地に本件各建物及び構築物を建築したことにつき異議を述べたとの事実を認めるに足る証拠はないといわざるを得ない。

以上の認定を総合すると、遅くとも昭和六三年六月一日に本件賃貸借契約が締結されたころには、控訴人と被控訴人らの間において、本件土地につき、本件各建物及び構築物の所有を目的とする使用貸借契約が黙示的に締結されたと推認することができる。

四  使用貸借契約の終了(再抗弁)

控訴人は、①被控訴人らは、前記三の使用貸借の成立後である平成六年ころ、別紙物件目録三記載の建物を無断で建築したが、これは本件土地の用法義務違反である、②被控訴人らは、控訴人及び吉男が無断建築につき口頭で苦情を申し入れた際、控訴人が本件土地を使用するときには直ちに本件各建物及び構築物を撤去すると述べたから、控訴人に対し、控訴人が請求したときに使用貸借契約の期限が到来し、直ちに本件土地を明け渡すことを約していた、③本件土地の使用貸借の成立から約一二年近く経過しており、被控訴人らは無償で本件土地を使用し続けていることを考慮すると、社会通念上本件土地を使用収益するに足る十分な期間が経過したというべきである。したがって、控訴人と被控訴人らの本件土地の使用貸借契約には解除・解約原因があるから、控訴人の解除・解約の意思表示により使用貸借契約は終了したと主張する。

しかし、①については、本件土地の大部分に別紙物件目録四ないし七記載の建物及び同目録八記載の構築物が建築され、そのことを控訴人は容認していたのであるから、その後、被控訴人らが本件土地の東側に同目録三記載の建物を建築したからといって、そのことから直ちに用法義務違反があるとして非難するのは相当でないし、前記三のとおり、同目録三記載の建物が建築された後、控訴人が直ちに異議を述べた形跡もないから、用法義務違反を理由として本件土地の使用貸借契約を解除することはできない。また、前記三のとおり、②の事実を認めるに足る証拠もないから、被控訴人らが控訴人に対し、控訴人が請求したときに直ちに本件土地を明け渡すことを約したと認めることはできない。さらに、③についても、被控訴人らは、本件各建物及び構築物の所有を目的とする使用借権を有し、そこで鉄工所を営業しているのであるから、使用収益をなすに足るべき期間は、ある程度長期にわたるものといわざるを得ない。むろん、被控訴人らは、無償で本件土地を使用しているのであるから、それほど遠くない将来、右の期間が経過することは明らかであるし、控訴人に自己使用の必要性があるような場合には、無条件に本件土地を明け渡さなければならないが、使用貸借契約の成立時である昭和六三年六月一日から一二年近く経過しただけでは、右の使用収益をなすに足るべき期間が経過したと解することは困難である。

したがって、本件土地の使用貸借契約が終了したとの控訴人の主張(再抗弁)を採用することはできない。

五  結論

以上のように、被控訴人らは、本件土地に使用借権を有し、右の権利に基づき本件各建物及び本件構築物を所有しているということができるから、控訴人は、被控訴人らに対し、無断増改築による信頼関係の破壊を理由に本件賃貸借契約を解除することはできず、また、不法占拠であるとして本件土地の明渡しを求めることもできない。よって、結論において同旨の原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法六七条一項、六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官・塩崎勤、裁判官・小林正、裁判官・萩原秀紀)

別紙物件目録<省略>

別紙図面<省略>

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